国立研究開発法人産業技術総合研究所と国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学との産学官連携による「次世代コールセンターの構築」に向けた研究開発を開始

東邦ホールディングス株式会社(以下、東邦ホールディングス)と国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)は連携研究ラボを2023年4月に設立し、ユニバーサルメディカルアクセスの実現を目指して共同研究を進めております。
この度、その共同研究テーマの一つである「次世代コールセンターの構築」に関連し、東邦ホールディングス、産総研グループ(産総研および株式会社AIST Solutions)、国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学(以下、JAIST)で、「知識の構造化」に向けた共同研究契約を締結いたしましたので下記の通りお知らせいたします。

東邦ホールディングスは、2000年にコールセンターを開設し、営業所の受注・内勤業務の集約と省人化を実現してまいりました。昨年度の実績では、お得意先登録軒数は約2万4千軒、受付電話本数は約131万本となっており、年々応対件数も増えております。当社グループでは中期経営計画2023-2025「次代を創る」において「DX推進」を一つのテーマに掲げており、コールセンターにおいてもAIの活用等により応対スキルの更なる向上と応対件数増加への対応を進めるとともに、熟練オペレーターが長年培ってきたスキルとノウハウを次世代に継承していきたいと考えております。
このたび、当社グループは、日本最大級の公的研究機関である産総研と、先端科学技術分野において世界水準の教育と研究を行い、科学技術創造により次代の世界を拓く指導的人材を育成するJAISTの西村拓一研究室とともに、人の作業や知識を構造化する共同研究開発を行うこととなりました。
西村拓一研究室では、熟練者の暗黙知(※)を発見し動画などのデータとともに構造化することで、人ならではの社会的な知能や創造力を高める研究を進めており、すでに介護や製造業の現場で従業員が主体的に互いの経験や知見を集め構造化することに成功しております。
今回の産学官連携による共同研究を通じて、当社コールセンターが長年培ってきた専門スキルや作業手順、そして熟練オペレーターが持つ暗黙知を構造化し、そのデータをもとに職員研修の実施、応対スキルの向上、ノウハウとスキルの継承、AI導入に活用してまいります。

※「暗黙知」
なぜわかるか、なぜできるか、言葉で説明できない知識のこと。経験知(作業現場等で勘や感覚などとして体得された知識)や身体知(体でわかっているという種類の知識)などを含み、同じことができても個人によって異なり、行動を分析しその根拠や目的を深掘りすることで一部を言葉で表現できる。
(参考文献:西村拓一研究室)

(参考)
北陸先端科学技術大学院大学 西村 拓一研究室
https://www.jaist.ac.jp/laboratory/tkm/t-nishimura.html
東邦ホールディングスと産業技術総合研究所が連携研究ラボを設立
https://www.tohohd.co.jp/assets/data/230208.pdf