丸石製薬と東邦薬品、災害時に備えた全身麻酔薬の新幹線輸送実験を実施 ~JR3社を結ぶ広域輸送ルートによる北陸エリアへのBCPモーダルシフトの実効性を検証~

丸石製薬株式会社(本社:大阪府、代表取締役社長執行役員:井上 勝人、以下「丸石製薬」)、および東邦ホールディングス株式会社(本社:東京都、代表取締役 社長執行役員CEO:枝廣 弘巳、以下「東邦ホールディングス」)は、ともに「BCP体制構築検討会※1」の会員として、大規模災害時における医薬品の安定供給体制(BCP体制)の構築に向けた検討を重ねています。

このたび、丸石製薬と東邦ホールディングスの医薬品卸売事業子会社である東邦薬品株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:馬田 明、以下「東邦薬品」)は、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)、西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)、およびJR各社のグループ会社協力の下、災害時の道路通行規制や港湾物流インフラの機能停止が懸念される北陸エリアへの医薬品供給を想定し、新幹線を活用した緊急輸送実証実験を行いました。

・実証実験の目的
大規模災害発生時には、道路の寸断や通行規制による、物流の機能不全が大きな課題となります。本実証実験では、地震や豪雪等により日本海側(北陸・能登エリア等)への供給網が寸断された状況を想定し、高い復旧対応力と定時性を備えた新幹線による「太平洋側ルートのBCPモーダルシフト」が、医薬品の緊急輸送においてどの程度実効性を持つかを検証しました。
特に今回は、前回2026年1月に「東京~広島間」で行った実証実験からステップアップし、新たにJR東日本エリアも含めたJR3社を結ぶ広域輸送ルートでの新幹線物流へと進化させています。また、対象品目には、被災地での救命医療行為において極めて重要となる全身麻酔薬と手指消毒液を選定しました。両剤は室温管理品ですが、輸送難易度の高い酷暑期における物流環境を見据え、東邦薬品が開発した定温搬送装置「サルム※2」を用いて厳格な温度管理下での物流実証実験を行うことにいたしました。

※1 BCP体制構築検討会:医薬品卸と医薬品メーカー、医療用医薬品専門の物流企業が連携し、有事でも供給を止めない強靭な物流網の構築を目指す組織
※2 定温搬送装置「サルム」:医薬品の輸送において重要な「厳格な温度管理」を、外部電源なしで実現する高機能搬送装置

・実証実験の結果
本実証実験において、広島駅から金沢駅までの新幹線輸送を含む全行程で、運行遅延や温度逸脱は発生しませんでした。また、「サルム」内の温度管理も正常に機能し、製品パッケージの破損や、数量の相違も認められず、スムーズな輸送が完了しました。これにより、「復旧対応力が高い新幹線の速達性・定時性」と「定温搬送技術」を組み合わせた物流オペレーションが、有事においても有効に機能することが確認できました。
丸石製薬と東邦ホールディングスは、本実証実験の結果を踏まえ、今後、平時のみならず有事においても医薬品供給を途絶えさせないBCPを実現するべく、パートナーシップをさらに深化させます。業界やエリアの枠を超えた広域連携を推進し、より強靭で持続可能な医薬品供給体制の構築に一丸となって取り組んでまいります。

【実証概要】
実施日:2026年9月11日
積載物:全身麻酔・鎮静用剤プロポフォール静注1%20mL「マルイシ」
全身麻酔・鎮静用剤プロポフォール静注1%50mL「マルイシ」
ウエルパス手指消毒液0.2%
使用機材:東邦薬品の定温搬送装置「サルム」
輸送区間:東邦薬品物流センター TBC広島(広島県) → TBC北陸(石川県)
※広島駅から東京駅まで「のぞみ号」による新幹線輸送
東京駅で北陸新幹線に乗せ換え金沢駅まで「かがやき号」による新幹線輸送
各社の役割:丸石製薬 輸送医薬品の提供
東邦薬品 出発・着荷拠点における物流オペレーション
JR東日本、ジェイアール東日本物流、JR東海、ジェイアール東海物流、JR西日本、ジェイアール西日本マルニックス
新幹線輸送の全体調整および駅構内における荷役等の実務オペレーション
検証内容:
①日本海側災害による鉄道、道路、港湾の機能不全を想定した、新幹線による太平洋岸迂回ルートのBCPモーダルシフトの可能性
②医薬品安定供給のためのJR3社連携による「本州広域輸送新幹線物流」の実効性確認
③酷暑期における定温搬送装置「サルム」を用いた厳格な温度管理物流の検証


【丸石製薬について】
丸石製薬株式会社は、1888年に日本薬局方医薬品(ベーシックドラッグ)メーカーとして創業しました。創業130年を超える歴史のなかで培ってきた技術や知識・ノウハウを活かし、患者さんのQOL向上を最大の目的として医薬品の研究・開発・普及を幅広く行い、医療に貢献しています。 近年では、周術期医療領域、感染対策領域、ベーシックドラッグ領域を事業基盤に、新たに急性期・救急医療や支持医療(がんサポーティブケア)への展開も進めています。
丸石製薬の詳細情報は、https://www.maruishi-pharm.co.jp/をご覧ください。


【東邦ホールディングスについて】
東邦ホールディングスは、医療・健康・介護分野に携わる企業集団として、「全ては健康を願う人々のために」のグループ・スローガンの下、医薬品卸売、調剤薬局、医薬品製造販売、顧客支援システムの開発・提供等の事業を展開するとともに、地域医療連携や在宅・介護分野への取り組みを積極的に推進しています。「安心・安全な医薬品流通」を社会的使命とし、物流センターへの先端技術の積極的な導入や、自動化の徹底による物流の効率化など、医薬品物流のイノベーションに挑戦し続けます。
東邦ホールディングスの詳細情報は、https://www.tohohd.co.jp/をご覧ください。