新幹線荷物輸送サービスを活用した医療用医薬品の輸送実証実験開始のお知らせ
東邦ホールディングス株式会社(本社:東京都、代表取締役CEO 兼 CFO:枝廣 弘巳)の医薬品卸売事業完全子会社である東邦薬品株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:馬田 明、以下「東邦薬品」)は、東海旅客鉄道株式会社(以下、「JR東海」)および西日本旅客鉄道株式会社(以下、「JR西日本」)が提供する新幹線荷物輸送サービスを活用し、医療用医薬品の輸送実証実験を実施いたしますので下記の通りお知らせいたします。
1.実証実験の背景と目的
当社グループは「安心・安全な医薬品流通」を社会的使命とし、平時及び災害時いずれにおいても安定的に医薬品等の供給を行う強靭な物流体制の構築を目指すとともに、ドライバーの労働環境の改善や、環境負荷の低減等を踏まえたサステナブルな輸送手段の検証を進めています。
近年、医薬品業界においては、再生医療等製品やバイオ医薬品等のスペシャリティ医薬品の開発が進み、これらの製品の多くは輸送時においてもGDP(Good Distribution Practice)に準拠した厳格な品質管理が必要とされ、個々の製品に対応した最適な流通体制の構築が求められています。また、物流の2024年問題ではドライバー不足による輸送力の低下が懸念されており、解決手段の一つとして時間に正確でスピーディーな輸送が可能な新幹線の活用が注目を集めています。更に新幹線をはじめとした鉄道輸送は、地球環境への負荷が少ない輸送手段の一つとしても期待されています。
今回、東邦薬品は、JR東海およびJR西日本が提供する新幹線荷物輸送サービスを活用し、医療用医薬品の中でも、振動に留意すべき製品、輸送時間短縮が必要な製品、ジャストインタイム物流が求められる製品において、新幹線物流の可能性を検証してまいります。
2.実証実験の概要
本実証実験では、新幹線を活用した医療用医薬品の輸送の可能性を検証します。
<実証実験内容>
・専用のボックスを活用して、繊細な取り扱いが求められる医療用医薬品の輸送を研究する
・一部区間にて振動のデータを計測する
<検証内容>
・新幹線が他の輸送形態と比べ振動が少ない環境で安全に輸送することができるか
・新幹線の高速かつ定時性が高い特性を活かしてスピーディーな輸送が実現できるか
・新幹線の定時性と高頻度運行により必要な量を必要なタイミングで輸送できるか
<実施期間>
2025年4月より開始予定
<輸送区間>
東京駅~広島駅
<イメージ図>

3.今後の展開について
本実証実験を通じて、新幹線を活用した医療用医薬品の輸送の課題を抽出し、輸送手段の新たな選択肢として検討してまいります。
4.JR東海およびJR西日本の新幹線荷物輸送サービスについて
■JR東海「東海道マッハ便」
「東海道マッハ便」は、東海道新幹線の安全・正確・高速・高頻度で揺れが小さいという特性を活かした、速達性に優れた高品質で環境負荷の小さい、法人向けの即日荷物輸送サービスです。東京駅・名古屋駅・新大阪駅間において、東海道新幹線の「こだま号」の11号車にある業務用室を活用して荷物を運びます。「東海道マッハ便」の具体的なサービスは以下をご参照ください。
サイトURL: https://www.jrtl.co.jp/transportation/
■JR西日本「FRESH WEST」
JR西日本グループでは、西日本各地の魅力ある産品を、新幹線・特急列車などの旅客列車により即日輸送し、新鮮なまま駅構内店舗等で販売することにより、これまでになかった価値を創造・提供する取り組みを進めています。FRESH WESTは、旅客列車により高速かつ品質の高い状態で運んだ西日本の逸品の証として、JR西日本グループが認定するブランドです。
サイトURL: https://www.westjr.co.jp/company/action/region/list/2023121106.html