公益社団法人日本薬剤師会と株式会社ファルモとの連携強化
薬局 DX 基盤サービス「N-Bridge」および医療機関設置型処方箋情報送信端末「NB Station」の 開発・提供に向けた協力について

東邦ホールディングス株式会社(本社:東京都、代表取締役 社長執行役員CEO :枝廣 弘巳、以下「東邦ホールディングス」)は、医薬品卸売事業完全子会社である東邦薬品株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:馬田 明、以下「東邦薬品」)が、公益社団法人日本薬剤師会(以下「日薬」)および株式会社ファルモ(以下「ファルモ」)との連携の下、新たな薬局 DX 基盤サービス「N-Bridge(エヌ・ブリッジ)」※および医療機関設置型処方箋情報送信端末「NB Station」の開発および提供に向けた協力を開始することをお知らせいたします。

1.連携の背景と目的

東邦ホールディングスは、医療・健康・介護分野に携わる企業集団として、「全ては健康を願う人々のために」のコーポレート・スローガンの下、医薬品卸売、調剤薬局、医薬品製造販売、顧客支援システムの開発・提供等の事業を展開するとともに、地域医療連携や在宅医療・介護分野への取り組みを積極的に推進しています。
日本の医療現場では、高齢化の進展や人材不足を背景に、地域医療における薬局・薬剤師の役割がますます重要性を増しています。薬剤師が専門性を十分に発揮できる環境を整備するため、日薬は会員支援の強化とデジタル基盤の整備を急務と考えており、このたび日薬、ファルモ、そして東邦薬品の共同で、公正かつ中立な薬局 DX 基盤サービス「N-Bridge」を開発する運びとなりました。
当社グループは、現在推進中の中期経営計画 2023-2025「次代を創る」における具体的施策の一つに「地域創生 ~地域ヘルスケアデザイン~」を掲げています。地域ヘルスケアデザインは、地域の課題を見極め、物流体制と顧客支援システムを中心とした医療 DX を融合することで、いつでもどこでも安心した医療を提供する体制の支援と、健康を願う人々の医療アクセス向上に繋がる課題解決を目指すものです。今回の連携を通じ、当社が長年にわたり培ってきた「顧客支援ビジネス」のノウハウを活用することで、地域医療提供体制の強化に貢献してまいります。

2.東邦薬品が提供するサービス概要

地域医療提供体制の強化を実現するDX 基盤サービス「N-Bridge」の中核機能の一つとして、従来のFAXコーナーに代わる医療機関設置型の処方箋情報送信端末「NB Station」があります。「NB Station」の基盤には、処方箋 FAX 送信システムとして豊富な導入実績を誇る東邦薬品の「ENIファーマシー(エニファーマシー)」が採用されています。
「ENIファーマシー」について:
・「ENIファーマシー」は、1998 年にサービスを開始した医療機関設置型の処方箋 FAX 送信システムであり、患者様が専用端末から希望の薬局へ処方箋情報を直接送信できる仕組みです。
・全国44都道府県の440 以上の医療機関で1,720台の導入実績があり、患者様の薬局での待ち時間短縮と薬局の業務効率化に貢献しています。
・「NB Station」は、この実績あるシステムをベースとし、電子処方箋の普及を見据えて既存の FAX 送信機の課題(管理の手間や電子処方箋未対応など)を解消し、更に発展させた端末となります。
※「N-Bridge」の概要
「N-Bridge」は、個々の薬局向けに、処方箋受付の一元化管理(処方箋ポータル)、採用薬情報共有、電子お薬手帳、オンライン服薬指導、医薬品発注などの機能を統合したワンパッケージの DX 基盤サービスです。処方箋ポータル機能により、「NB Station」や日薬の「e お薬手帳 3.0」など複数のアプリからの処方箋情報を一元的に受け取ることができます。これにより、薬局の業務負担を軽減し、迅速で質の高い医療サービスの提供を実現します。

3.今後の展開

当社グループは、本連携を通じて、「N-Bridge」における公平性・中立性のルールに則った原則を維持しつつ、長年にわたる実績がある処方箋送信システム「ENIファーマシー」の技術、およびファルモが持つ専門的な技術力と開発リソースを最大限に活かし、システムの継続的な機能向上と全国への普及を加速させてまいります。

また日薬およびファルモとの強固な連携体制のもと、地域の公衆衛生に資するサービス(地域フォーミュラリーやAMR対策など)の探求を進め、薬剤師が「人々の健康を守る専門家」あるいは「患者の健康を守る専門家」としてその能力を最大限に発揮できる持続可能な環境づくりに積極的に貢献してまいります。これは、当社グループの使命である「健康を願う人々の医療アクセス向上に繋がる課題解決」の実現に資するものです。